FAQ Copy of Synthera

(1) Frequent A&Q (2) 結果の解析の仕方 (3) トラブルシューティング に関して下記にご説明します。



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リアルタイムPCRでの検出結果をExcelやPrizmなどの統計解析ソフトを用いて解析します。

<測定例>

標準抗原の5倍希釈系列の各測定点、及び各未知検体について2~3ウェルずつ(デュプリケート、トリプリケート)でMUSTagアッセイによる抗原量の測定を行います。

sample_addition.jpg

リアルタイムPCRにより、各ウェルのCt値を計測します。
各サンプルの条件毎にCt値の平均と標準偏差を算出します。

Ctvalue_calc.jpg

標準抗原希釈系列の抗原濃度をグラフ上のX軸に、得られたCt値の平均値をY軸にプロットします。本解析例ではX軸は対数表示とし、エラーバーにはCt値の標準偏差を示しています。

EXCELの線形近似(対数近似)により検量線を求める場合、希釈系列の最高濃度の測定点(この場合は10,000 pg/mL)から、対数近似時の決定係数R2が0.95以上となるように各測定点を順次選択していきます。本解析例では0.64pg/mLまで検量線を引くことが可能でしたので、10,000~0.64 pg/mLの範囲で測定が可能(検出限界:0.64 pg/mL)ということになります。

StandCurv.jpg

また、MUSTagアッセイにおける濃度(の対数)とCt値の関係は、全体として逆シグモイドカーブ(4パラメータロジスティックモデル)を描くことが分かっておりますので、専用の統計解析ソフト等を用いてこのカーブの式を求めることで、全測定領域で非常に正確な検量線を得ることができます。

StndCurv2.jpg

以上の方法で得られた検量線の数式を用いて、未知検体でのCt値から抗原濃度の算出を行います。

<従来のELISA法との感度の比較>

下図はヒトIL-4標準抗原希釈系列の本MUSTag測定キットでの検出結果と、同一の抗原・抗体を用いたELISA(比色法)での検出結果を比較したものです。各測定値をネガティブコントロールの値でノーマライズして、同一グラフ上に併記しました。
線形近似(対数近似)によりR2≧0.95となる範囲の検量線を求めた結果、MUSTag法では従来法の約625倍の高感度で検出可能であることが確認されました。

Sensitivity.jpg




MUSTagアッセイのトラブルシューティングです。

リアルタイムPCR後、全くCt値が得られない

リアルタイムPCRに関する問題
→Q-PCR mixに試薬の入れ忘れや添加量の間違い等がないか。
→PCR試薬に適した検出波長の設定が正しく行われているか。
→リアルタイムPCRのamplification plotでPCR産物の増幅が行われているかを確認する。増幅が見られない場合は増幅プログラムの見直しを行う。
→PCR後の反応液をアガロースゲル電気泳動にかけ、DNAの増幅を確認する。正しく増幅が行われていれば100 bp程度のサイズのバンドが観察されるはずである。

抗原濃度が違うのにCt値に差が見られない

MUSTagの添加濃度が高すぎる
→MUSTag希釈液の組成・希釈倍率を再確認する。
PCR反応液へのEcoRⅠ処理サンプルの過剰添加
→Q-PCR mixに添加するサンプル量を0.5~2 μLに減らす。

実験間誤差が大きい

サンプルのプレートへの非特異結合によるバックグラウンドの上昇
→血清や血漿等のサンプルをそのままプレートに添加するとバックグラウンドが増加する場合がある。細胞培養上清は2倍以上、血清や血漿は5~10倍以上抗原希釈液で希釈して使用する。
EcoRⅠ処理サンプル採取量のぶれ
→極力誤差のないようサンプルを採取する。ピペッティングの回数などによっても誤差が大きく変動する例もある。
■EcoRⅠ処理の時間がサンプル間で異なっている
→処理時間を極力揃える。またあまり長い時間(3時間以上)反応させるとエラーが出る場合がある。
■ウェル洗浄時の洗浄液が残っている
→アスピレーター使用時は完全に残液を吸い取りきるまで吸引する。また、プレートをキムタオルなどにたたきつけるようにして水分を除去するのも効果的。
リアルタイムPCRの問題
→機器のキャリブレーションが正しく行われているか。
→PCR反応後にdissociation curveの確認を行い、単一の増幅産物が得られているかを確認する。非特異的な増幅が見られる場合は増幅プログラムの見直しを行う。
→一部のmaster mix試薬ではリファレンス用のROXを大量に含んでいる為、他の色素での検出の際バックグラウンドなどに影響を及ぼす場合がある。使用機種に合った試薬を選択する。
反応条件(周囲の環境)が安定していない
→MUSTagアッセイは通常のELISA法と同様に、周囲の温度や湿度等の影響を受ける場合がある。一連の反応を37℃下の湿潤箱等で行うと安定性や感度が向上する場合がある。


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